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労働者派遣法の改正点について④

④ 派遣期間の制限

今回の労働者派遣法の改正の中でも重要な改正点である「労働者派遣の期間制限の見直し」について、まとめました。
今回の改正が行われる前までは、原則として派遣期間は1年に制限されており、例外的に「専門的知識等を必要とする業務等」のいわゆる専門26業務については、期間制限が課されないという取扱いでした。
これらが今回の改正で大きく変更されることになります。
今回の改正では、「業務」から「個人」または「派遣先単位」での期間制限となります。
具体的には、Aという派遣労働者がいた場合、同じ組織単位(●●課や××グループなど)ごとの業務につき、一律「3年」を超えて同一の派遣労働者の派遣を受け入れることができなくなりました。したがって、Aは3年ごとに●●課から××課に移動しない限り、「労働契約申込みみなし制度(次回まとめます)」違反として、みなし制度が適用されることになります。これが個人単位の期間制限と呼ばれる規制です。
また、派遣労働者を受け入れる事業所においては、3年を超えて派遣労働者を受け入れる場合には、全従業員の過半数代表者(過半数労働組合等)から派遣労働者の受入に関し、意見を聴取しなければならず、この意見聴取手続を行わずに、派遣労働者を受入れを継続した場合は、上記同様「労働契約申込みみなし制度」違反として、みなし制度が適用されることになります。これが派遣先単位の期間制限と呼ばれる規制となります。
なお、これらの規定は、「派遣元で無期限雇用されている派遣労働者」や「60歳以上の派遣労働者」には適用されず、期間制限を気にすることなく、派遣を受け入れることが可能です。
これらの規定は平成27年9月30日以降に締結する労働者派遣契約(契約更新を含む)より適用されることになりますので、今後は、派遣労働者の派遣期間や派遣開始期間などの管理につき、派遣労働者を受け入れている企業は徹底して対応することが必要となります。

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